(趣旨)
第1条 この基準は、「消防用ホースに使用する差込式又はねじ式の結合金具及び消防用吸管に使用するねじ式の結合金具の技術上の規格を定める省令」(平成25年総務省令第23号。以下「規格省令」という。)第2条第1項第4号に定める差込式結合金具又は同項第5号に定めるねじ式結合金具に接続する消防用接続器具及び当該器具に接続する消防用接続器具に係る構造、性能等を定めるものとする。
(用語の意義)
第2条 この基準において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(区分)
第3条 消防用接続器具の区分は、受け口(スムースノズルにあっては、ノズル結合部)又は差し口(管そうにあっては、ノズル結合部の寸法により、次の各号に定めるところによる。
(一般構造)
第4条 消防用接続器具の構造は、次に定めるところによらなければならない。
(差し口及び受け口の構造)
第5条 差し口又は受け口を有する消防用接続器具は、差し口にあっては規格省令第7条又は第9条に、受け口にあっては規格省令第8条又は第10条に定めるところによらなければならない。
(材質)
第6条 消防用接続器具の部品又は部分で、次の表の左欄に掲げるものに用いる材料は、それぞれ同表の右欄に掲げるもの又はJIS Z 2201で定める方法により採取した4号試験片(つめバネにあっては5号試験片とする。)を用いてJIS Z 2241により試験を行った場合、引張り強さ及び伸びが同表の右欄に掲げるものと同等以上の強度を有するものでなければならない。
部品又は部分 | 材 料 |
差し金具 受け金具 押し輪 胴 部 しめ輪 |
JIS H 4080(アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管)
JIS H 4100(アルミニウム及びアルミニウム合金押出形材) JIS H 5120(青銅鋳物及びシルジン青銅鋳物) |
スムースノズル 開閉弁、開閉弁 に相当する部分 噴霧ノズル |
JIS H 5121(青銅連続鋳物及びシルジン青銅連続鋳物) JIS H 5202(アルミニウム合金鋳物) |
つ め |
JIS H 5120(青銅鋳物) JIS H 5121(青銅連続鋳物及びシルジン青銅連続鋳物) |
つめばね |
JIS G 4313(ばね用ステンレス帯鋼) JIS G 4314(ばね用ステンレス鋼線) JIS H 3110(リン銅及び洋白の板並びに条) JIS H 3130(ばね用ベリリウム銅、リン青銅及び洋白の板並びに条) |
しめ輪の抜け止め部品 |
JIS H 4308(ステンレス鋼線材) JIS H 3260(銅及び銅合金線) JIS H 4080(アルミニウム及びアルミニウム合金継目 無管) JIS H 5120(青銅鋳物) JIS H 5121(青銅連続鋳物) |
2 受け口のパッキンの材料は、次の表の左欄に掲げる項目に応じ同表の中欄に掲げる測定方法により測定した値が、同表の右欄に掲げる範囲内又はこれと同等以上の性能を有するものでなければならない。この場合において、耐油性及び耐老化性における試験温度及び試験時間は、それぞれ摂氏100度及び70時間とする。
項 目 | 測 定 方 法 | 範 囲 | |
引張強さ (単位 MPa) | JIS K 6251 | 10以上 | |
伸 び ( 単 位 % ) |
JIS K 6251 |
500以上(差込式結合金具) 100以上(ねじ式結合金具) |
|
硬 さ | JIS K 6253 |
35以上45以下(差込式結合金具) 75以上85以下(ねじ式結合金具) |
|
耐油性 |
体積変化率 (単位 %) |
JIS K 6258ナンバー三油 |
50以上120以下(差込式結合金具) 20以上80以下(ねじ式結合金具) |
JIS K 6258ナンバー一油 |
-10以上15以下(差込式結合金具) -5以上10以下(ねじ式結合金具) |
||
耐老化性 |
引張強さ変化率 (単位 %) |
JIS K 6257 |
-15以内 |
伸び変化率(単位 %) |
JIS K 6257 |
-40以内 |
|
硬 さ 変 化 | JIS K 6257 |
15 |
(着脱力及び操作力)
第7条 差込式差し口又は差込式受け口を有する消防用接続器具は、差し口にあっては結合金具の受け口と、受け口にあっては結合金具の差し口とそれぞれかん合及び離脱を行う場合に必要な力が、呼称に応じ、次の表に定める力以下となるものでなければならない。
呼 称 | 75 | 65 | 50 | 40 | 30 | 25 |
力(ニュートン) | 150 | 135 | 105 | 90 | 85 | 75 |
2 開閉弁又は開閉機能を有する消防用接続器具(噴霧ノズルを除く。)の開閉に要する操作力は、流入側から1.3メガパスカル(差し口又は受け口の寸法が呼称40以上の媒介金具(吸管用のものを除く。)にあっては2メガパスカル)の内圧力を加えた場合において、250ニュートン(管そう及びスムースノズルにあっては200ニュートン)以下でなければならない。
3 噴霧ノズルの開閉に要する操作力は、流入側から1メガパスカルの内圧力を加えた場合において、容易に操作できるものでなければならない。
(耐圧試験)
第8条 消防用接続器具は、差し口にあっては結合金具の受け口と、受け口にあっては結合金具の差し口とそれぞれかん合し、かつ、その他の消防用接続器具を結合した状態において、2メガパスカル(差し口又は受け口の寸法が呼称40以上の媒介金具(吸管用のものを除く。)にあっては3メガパスカル、噴霧ノズルにあっては1.5メガパスカル)の内圧力を5分間加えた場合、き裂、著しい変形、漏水等が生じず、かつ、かん合部又は結合部から離脱しないものでなければならない。ただし、噴霧ノズルにおける漏水にあっては、使用上支障がないものであれば、この限りでない。
(漏水試験)
第9条 差し口又は受け口を有する消防用接続器具は、差し口にあっては結合金具の受け口と、受け口にあっては結合金具の差し口とそれぞれかん合し、かつ、その他の消防用接続器具を結合した状態において、1.3メガパスカル(差し口又は受け口の寸法が呼称40以上の媒介金具(吸管用のものを除く。)にあっては2メガパスカル、噴霧ノズルにあっては1メガパスカル)以下の任意の内圧力を加えた場合、かん合部から漏水しないものでなければならない。
2 開閉弁又は開閉機構を有する消防用接続器具(逆止弁又は逆止弁に相当する機能を有するものを除く。)は、弁又は弁に相当する部分を閉止して、流入側に1.3メガパスカル(差し口又は受け口の寸法が呼称40以上の媒介金具(吸管用のものを除く。)にあっては2メガパスカル、噴霧ノズルにあっては1メガパスカル)以下の任意の内圧力を加えた場合、弁又は弁に相当する部分から漏水しないものでなければならない。
(繰返し試験)
第10条 差込式差し口又は差込式受け口を有する消防用接続器具は、差し口にあっては結合金具の受け口と、受け口にあっては結合金具の差し口とそれぞれ1,000回かん合及び離脱の操作を行った場合、き裂、著しい変形等が生じず、かつ、機能に異常を生じないものでなければならない。
2 防食被膜を施した消防用接続器具は、前項の試験を行った場合、防食被膜がはく離しないものでなければならない。
(曲げ試験)
第11条 差し口又は受け口を有する消防用接続器具(スムースノズルを除く。)は、差し口にあっては結合金具の受け口と、受け口にあっては結合金具の差し口とそれぞれかん合した状態において、1.3メガパスカル(差し口又は受け口の寸法が呼称40以上の媒介金具(吸管用のものを除く。)にあっては2メガパスカル)の内圧力を加え、かん合部に次の式で求められた曲げモーメントが生じるように、差込み方向に対して直角に力を加えた場合、かん合部から離脱せず、き裂、変形等を生じないものであり、かつ、機能に異常を生じないものでなければならない。
M(ニュートンミリメートル)=300N×1.5×(呼称×15)mm
(落下試験)
第12条 消防用接続器具は、受け口にあっては結合金具の差し口に、差し口にあっては結合金具の受け口にかん合し、かつ、その他の消防用接続器具を結合した状態(スタンドパイプにあっては受け口及び差し口にかん合しない状態とする。)において、高さ1m(吸管用の媒介金具にあっては0.7m)の位置から胴部を水平にしてコンクリート床面に自由落下させた場合、かん合部から離脱せず、かつ、機能に異常を生じないものでなければならない。ただし、吸管用の媒介金具で常時消防ポンプ自動車に固定するものにあっては、この限りではない。
(腐食試験)
第13条 消防用接続器具は、JIS Z 2371(塩水噴霧試験方法)に定める試験方法により塩水を8時間噴霧した後に16時間放置することを1サイクルとして5回繰り返した後、水洗いをして24時間自然乾燥させた場合、機能を損なうおそれのある腐食が生じないものでなければならない。
(表示)
第14条 消防用接続器具は、次に掲げる事項を容易に消えないように表示しなければならない。
(管そうの構造)
第15条 管そうの構造は、次の各号に定めるところによらなければならない。
(管そうの破壊圧試験)
第16条 管そう(受け口の寸法が呼称30のものを除く。)は、受け口を結合金具の差し口にかん合し、かつ、ノズルを結合した状態において、3.0メガパスカルの内圧力を5分間加えた場合、き裂又は破損を生じず、かつ、かん合部又はノズル結合部から離脱しないものでなけ
ればならない。
(スムースノズルの構造)
第17条 スムースノズルの構造は、次の各号に定めるところによらなければならない。
(スムースノズルの破壊圧試験)
第18条 開閉弁又は開閉機構を有するスムースノズルは、管そうに結合した状態において、3メガパスカルの水圧力を5分間加えた場合、き裂、破損を生じず、かつ、ノズル結合部から離脱しないものでなければならない。
(噴霧ノズルの構造)
第19条 噴霧ノズルの構造は、次の各号に定めるところによらなければならない。
(噴霧ノズルの放水性能試験)
第20条 噴霧ノズルの放水性能は、次の各号に定めるところによらなければならない。
(媒介金具の構造)
第21条 媒介金具は、流入側の受け口又は差し口、胴部、流出側の受け口又は差し口等により構成しなければならない。
(媒介金具の負圧試験)
第22条 吸管用の媒介金具(差込式の受け口又は差し口を有するものを除く。)は、差し口にあっては結合金具の受け口と、受け口にあっては結合金具の差し口とそれぞれかん合した状態において、内部の真空度を94キロパスカル以上として10分間放置した場合、き裂、漏れ、著しい変形等が生じないものでなければならない。
(媒介金具の引きずり試験)
第23条 媒介金具(吸管用のものを除く。)は、差し口にあってはホースを装着した結合金具の受け口を、受け口にあってはホースを装着した結合金具の差し口をそれぞれかん合した状態において、当該ホースを持って20メートル引きずった場合、かん合部から離脱せず、かつ、機能に異常を生じないものでなければならない。
(スタンドパイプの構造)
第24条 スタンドパイプの構造は、次の各号に定めるところによらなければならない。
(付加機能)
第25条 この基準の定めによらない機能を付加した消防用接続器具は、当該使用範囲において仕様どおり有効に機能するものでなければならない。