別記1 負荷出力合計(K)の算出方法


1 負荷出力合計(K)


負荷出力とは、非常電源を必要とする消防用設備等の機器(自家発電設備の負荷として接続する機器をいう。)の定格出力をいい、これらの出力の総和を負荷出力合計(以下「K値」という。)とする。 

 

2 K値の算出方法


(1) K値 

K値は、次の式により求めること

負荷出力合計(K)の算出式 自家発電設備

mi:個々の負荷機器の出力(kW) 

n :負荷機器の個数 

 

(2) 出力 

出力(mi)は、個々の負荷機器の定格表示に応じて次により求めること 

  • ア 定格が出力(kW)で表示されている機器の場合(一般誘導電動機等) 

(ア) 一般電動機(誘導機)の場合 

 

mi=定格出力(kW) 

 

(イ) 非常用昇降機の場合

非常用昇降機の場合 負荷出力合計(K)自家発電設備

 

Uv :昇降機の台数による換算係数(別記6.1.(4)に示すUvの値を用いる。 )

n  :昇降機の台数 

Evi:昇降機の制御方式によって定まる換算係数 (通常の場合は、別記6.1.(1)に示すEvの値を用いる。 )

Vi:昇降機巻上電動機の定格出力(kW) 

 

(ウ) 充電装置の場合 

 

mi=V・A 

 

V:直流側の定格電圧(均等)(V) 

A:直流側の定格電流(A) 

 

(エ) 白熱灯・蛍光灯の場合 

 

mi=定格消費電力(定格ランプ電力)(kW) 

 

白熱灯は定格消費電力、蛍光灯は定格ランプ電力とする。 

 

(オ) 差込負荷の場合 

 

mi=Li(kW) 

Li:非常コンセント(単相)の定格電圧(kV)×定格電流(A) 

通常は0.1kV、15Aとする。 

  • イ 定格出力(kVA)で表示されている機器の場合(CVCF、充電装置等)

mi=Ci・cosθi 

 

Ci   :定格出力(kVA) 

cosθi:負荷の力率(定格値) (通常の場合は、別記6.1.(1)に示す力率の値を用いることができる。 )

  • ウ その他の機器の場合 

効率(ηLi)が0.85より著しく小さい機器の場合は、次式によること

効率(ηLi)が0.85より著しく小さい機器の場合 負荷出力合計 自家発電設備 算出式

ηL :負荷の総合効率(0.85) 

ηLi:当該負荷の定格効率 

Ki :負荷出力(kW) 

 

3 負荷出力合計(K値)の算出手順


負荷出力合計(K値)の算出方法は、前述のとおりであるが、その具体的算出に当たっては、様式1に示す計算シートを用いるものであること 

なお、計算シートを用いた算出の手順は、次によることとし、各算出式に用いる係数等については、別記6の諸元表によること 

 

(1) 負荷表の作成     消防用設備等の負荷機器を選定し、様式2「自家発電設備出力計算シート(負荷表)」(以下「負荷表」という。)に所定の事項を記入する。 

 

(2) ①件   名‥‥防火対象物の名称等を記入する。 

 

(3) ②機器番号‥‥負荷機器番号等を記入する。 

 

(4) ③負荷名称‥‥負荷機器名称を記入する。 

 

(5) 負荷出力合計の算出 

  • ④台    数 ‥‥負荷機器台数を記入する。 
  • ⑤換算を必要とする負荷機器の入力又は出力(kW、kVA)‥‥換算を必要とする負荷機器の入力又は出力(kW、kVA)を記入する。 該当機器:昇降機、CVCFにつきその定格値を記入する。
  • ⑥出力換算係数‥‥昇降機等の出力換算を必要とする負荷機器につき、別記6.1.(1)に示す値を記入する。
  • ⑦出    力‥‥負荷機器の出力を記入する。また、換算を必要とする負荷機器については、当該負荷機器容量と出力換算係数(Ev等)の積を出力の欄に記入する。 なお、複数台の機器(昇降機を除く。)が同時始動するときはその出力の合計値を記入する。また、昇降機が複数台ある場合は、2.(2).ア.(イ)で求めた値を記入する。
  • ⑧負荷出力合計値‥‥⑦の総和を求め、K=Σmi=⑧[   ]に記入する。 

(6) M₂の選定 

  • ⑨始動方式又は制御方式‥‥誘導電動機にあっては始動方式を、昇降機にあっては制御方式を記入する。
  • ⑩ks /Z'm‥‥当該負荷機器のRG₂用のks /Z'mの値を別記6.1.⑶より求め記入する。また、昇降機が複数台ある場合又は複数台の機器が同時始動する場合は、様式2-2で求めたRG₂用の値を記入する。 
  • ⑪(ks /Z'm)・mi‥‥⑦×⑩の値を求め記入する。
  • ⑫M₂の選定 ‥‥⑪の値が最大となる⑦のmiを、mi=M₂=⑫[   ]に記入する。

(7) M₃の選定 

  • ㉝ks /Z'm‥‥当該負荷機器のRG₃用のks /Z'mの値を別記6.1.⑶より求め記入する。また、昇降機が複数台ある場合又は複数台の機器が同時始動する場合は、様式2-2で求めたRG₃用の値を記入する。 
  • ⑬(ks /Z'm)-1.47‥‥㉝-1.47の値を求め記入する。
  • ⑭{(ks /Z'm)-1.47}・mi‥‥⑦×⑬の値を求め記入する。
  • ⑮M₃の選定‥‥⑭の値が最大となる⑦のmiを、mi=M₃=⑮[   ]に記入する。

(8) M₂’選定

  • ⑰(ks /Z'm)cosθ‥‥当該負荷機器のRE₂用のks /Z'mの値を別記6.1.⑶より求め記入する。また、昇降機が複数台ある場合又は複数台の機器が同時始動する場合は、様式2-2で求めたRE₂用の値を記入する。 
  • ⑱{(ks /Z'm)cosθ}・mi‥‥⑦×⑰の値を求め記入する。
  • ⑲M₂’の選定‥‥⑱の値が最大となる⑦のmiを、mi=M₂’=⑲[   ]に記入する。

(9) M₃’の選定

  • ㉞(ks /Z'm)cosθs‥‥当該負荷機器のRE₃用のks /Z'mの値を別記6.1.⑶より求め記入する。また、昇降機が複数台ある場合又は複数台の機器が同時始動する場合は、様式2-2で求めたRE₃用の値を記入する。
  • ⑳(ks /Z'm)cosθ-1‥‥㉞-1の値を求め記入する。
  • ㉑{(ks /Z'm)cosθ-1}・mi‥‥⑦×⑳の値を求め記入する。
  • ㉒M₃’の選定‥‥㉑の値が最大となる⑦のmiを、mi=M₃’=⑲[   ]に記入する。

(10) 高調波発生負荷出力合計の算出

  • ㉓高調波発生負荷 Ri(kW)‥‥負荷機器のうち充電装置、CVCF等の整流器使用負荷機器について、⑦の値を㉓に記入する。昇降機にあっては、巻上電動機の出力⑤の値を㉓に記入する。
  • ㉔ΣRi=Rの算出‥‥㉜の総和を求め、ΣRi=R=㉔[   ]に記入する。 

(11) 不平衡負荷の算出

  • ㉕不平衡負荷‥‥単相負荷の負荷機器出力を㉕の該当欄に記入するとともに、R-S負荷の合計を㉖に、S-T負荷の合計を㉗に、T-R負荷の合計を㉘に記入する。
  • 最大値等の選出‥‥㉖、㉗及び㉘のうち、最大の値のものをA㉙に、次の値のものをB㉚に、最小の値のものをC㉛に記入する。 
自家発電設備出力計算書
自家発電設備出力計算シート(負荷表)
自家発電設備出力計算シート 負荷表(同時始動計算表)